弁護士に学ぶ、不倫慰謝料を確実に請求する秘訣

1 不倫の法律構成を知る

不倫、と一言に表現しても、民法上、「不倫」という言葉は見当たりません。
当然、刑法上も見当たりません。以前、刑法には不貞罪という罪が存在しましたが、現在では削除されています。
現在の日本の法律では、不倫された場合の慰謝料請求は民法709条・710条に基づいて行われています。
いわゆる不法行為、というものです。

 

そして、不倫を理由とする慰謝料請求を行う場合、自身の配偶者のみならず、
配偶者の不倫相手も相手取って慰謝料の支払いを求めることができます(共同不法行為、というロジックになります。)。
不法行為に基づく損害賠償請求については@行為者における故意または過失、
A行為の違法性、B損害、CAとBの因果関係が認められて初めてこれを請求することができます。
そして、ポイントとなるのはこのいずれについても立証責任が請求する側に課されている、ということです。
すなわち@〜Cについては浮気された側が証明しなくてはなりません。特にAの違法性が問題になります。
Aの違法性とはa)権利侵害の態様、b)損害の重大性、で判断されるとされています。
その証明が問題になるのです。

 

2 証明には何が必要か。

裁判(あるいは調停)で、Aの違法性のうち、特にa)権利侵害の態様、を証明するためには証拠が必要です。
かつ、不法行為において、違法性があるというのは不貞行為が認定される必要があります。
不貞行為というのは極端な話ではありますが、男女が最後まで行っている(性行為を行っている)必要がある、ということです。

 

そのための証拠、ということになるとかなりシビアなものが要求されることになります。
当たり前ですが、不倫された側の一方当事者が「不倫したと思う!」と証言するだけでは立証不十分としか評価されず、
裁判所に不倫を認定してもらうことは困難です。

 

裁判において、主張している事実を直接基礎づける証拠を直接証拠、と呼びます。
契約の内容が争われている場合に、契約書そのものが裁判において証拠として提出されれば、
これは当然直接証拠ということになります。

 

もっとも、不倫について、不貞行為が存在したこと、の直接証拠は基本的には存在しません。
基本的には、主張している事実を間接的に推認する事実、いわゆる間接事実を積み重ねることによって、
事実の存在を立証し、裁判所に事実認定を行って盛る必要があります。

 

例えば、ハートマーク付きのメール、といったものでは到底足りません。
ラブホテルから出てきたところを週刊誌ばりにキャッチでき、
その証拠写真を納めることができればいいですが、これも探偵でも雇わない限り、中々困難でしょう。

 

近年、facebook離婚、という言葉もあります。
不倫の証拠として、fecebookの写真等は重要な証拠になりえます。
極端な話、二人で旅行に行ったことが写真付きで記事にでもされていれば、
大きく裁判所の心証を形成する材料となるでしょう。
また、入手することは難しいかもしれませんが、facebookのメッセンジャーでのやり取りや、
今年上半期に芸能ニュースを騒がせたLINEでのやり取りなども重要な間接証拠になりえます。
特に「●●したね。」等、直接、性交渉を行ったような文言があれば、立証成功に大きく心証は傾くでしょう。

 

3 まとめ

以上、述べてきましたように、不法行為で慰謝料請求を行う以上、
立証責任は、不倫があったと主張する側、つまり、慰謝料を請求する側にあります。
このことを念頭に置いた上で、どのような証拠があれば、
証明に十分なのかを考え、ある程度は証拠を揃えた上で、
法テラスや弁護士事務所に赴いて相談をするべきです。
「不倫された。訴えてやる!」という信条は理解できますが、まずはしっかりと証拠を集めましょう。